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最近ドラムの打ち込みについてどうするのが最適なのか考えていたのですが、ある程度自分の中で考えがまとまったのでひとまず自分の考えの中心だったドラムシーケンサー・サンプラーをいくつか比較したいと思います。もし同じように悩んでいる人の助けになれば嬉しいです。
結論から言ってしまうとしばらくはStudio One付属のサンプラーであるImpact XT(とパターンエディタ)を活用していこうかなと思いました。XOやTriazなどのサードパーティ製のものも検討したのですが、Impact XTを使うことにしました。なぜそう考えるようになったのかという経緯を以下で説明していきます。
前提
まず、使用しているDAWはStudio Oneです。なので付属しているImpact XTというサンプラーが候補に挙がります。が、これは今まであまり活用していなかったです。
また、サードパーティ製のものとして普段UjamのBeatmakerシリーズやAvenger 2内のドラムを用いていました。
比較する基準
自分が比較する上では主に次のような点を重視しました。
- ドラムパターンを簡単に作れるか
- ドラムパターンの作りこみができるか
- サンプルの編集がしやすいか(トランジェントやサチュレーションなどのエフェクト)
- UIが見やすいか
- 価格は低いか
選択肢を比較
ここではいくつか候補を挙げてそれらを比較していきます。まず、今所有しているのがStudio One付属のImpact XT、UjamのBeatmakerシリーズ(IDOL、KANDY、RICO、GLORY、COZYを所有)、Avenger 2です。また、新しく購入を検討するのがXLN AudioのXO、Wave AlchemyのTriazです。
Ujam Beatmakerシリーズ
すでに所有しているBeatmakerシリーズはジャンルに特化したドラムを初心者でも簡単に打ち込むことができる音源です。ドラムキットとMIDIパターンが多数収録されています。MIDIパターンをDAWにドラッグ&ドロップすることでMIDIパターンだけを利用することもできるので、MIDIパターンだけBeatmakerのものを使って音に関しては他のドラム音源を用いるということもできます。また、様々なマクロを操作することで簡単に音のテイストを変えることもできます。
そんなお手軽なBeatmakerなのですが、そもそもこれは手持ちのサンプルを読み込ませて使うサンプラーではありません。なので他のドラムサンプラーと並べていけないのですが、ドラムプラグインということで挙げてみました。
良いところとしてはやはり打ち込みがかなり簡単ということです。また、収録されているMIDIパターンに関しても使いやすく、各ジャンルの「らしさ」が感じられるものが多いので勉強にも良いかもしれません。また、値段もセール時には1000円台くらいになるので買いやすいです。
悪いところとしてはやはり自由度が低いというところです。当然手持ちのサンプルを読み込むことはできませんし、音に関してもめちゃくちゃ高品質という印象は受けませんでした。
Beatmakerに関しては別の記事で詳しくレビューしたので気になる方はこちらでチェックしてください。
Avenger 2
こちらもすでに所有しているAvenger 2はドラムだけでなくリード、パッド、ベースまで何でもこなせてしまうシンセです。そんなモンスターシンセと呼ばれることもあるAvenger 2ですが、ドラムサンプラー、シーケンサーの機能もあります。これがおまけのようなものではなくそれ単体でかなり使えます。
良いところとしてはプリセットの音の迫力が挙げられます。これはドラムに限った話ではなく、Avengerはとにかくプリセットの音が太いです。また、プリセットはテクノ、ハウス、LoFiなど様々なジャンルのものが用意されています。
悪いところは画面が見にくいところです。Avengerは1つの画面でオシレーター、エフェクト、シーケンサーまで操作できるのですが、そのせいで少し詰め込みすぎな感があります。また、プリセットの音はドラムに限ったことではないですがかなり音圧が高めで、EDMに用いるような音が多く入っている印象なのでそういうジャンルを作らない方にとってはドラムは使いにくいのかなと思います。
悪いところを挙げはしましたが、正直ここまで何でもこなせるシンセは他にはなかなかないので、セール時2万円を切ることがあることも考えるとドラムとか関係なくかなりおすすめです。
XLN Audio XO
購入を検討したXLN AudioのXOはドラムシーケンサーに高度なサンプル検索機能を付けたようなプラグインです。このサンプル検索は普通のDAWについているようなファイルシステムではなく、宇宙のような画面に散らばったサンプルから自由に好きな音を探すスタイルです。
良いところは何と言ってもサンプル検索がしやすいということです。今回の候補の中ではこれは唯一の機能なので特にサンプルを多く持っていて管理に苦労しているという人にはかなり向いているように思います。
悪いところは8つまでしかサンプルを扱えない点です。正直8つ全て使うかどうかは個人的にも何とも言えないと思ったのですが、将来的に9つ以上使うようになったらXOを2つ立ち上げて・・・のように考えることが多くなりそうだなと思いました。
総じてXOはサンプル検索機能に魅力を感じた人が買うプラグインかなと思います。シーケンサーについては別にXOでないとできない機能があるという感じではないです。セール時には8000円を切ることもあるのでサンプル検索機能にそれだけの価値を感じた方は買ってもいいのではないでしょうか。
Wave Alchemy Triaz
Triazについては所有はしていないのですが、デモ版を14日間使ってみました。一言で言うとプラグイン内でできることがとにかく多いなという感想です。Attack, Hold, Decayによるトランジェントの調整からピッチ変化、そしてノートごとのパラメータのオートメーションまで至れり尽くせりといった感じです。
また、他のプラグインになかなかない特長として3つのサンプルのレイヤー機能があります。これによってアタック成分を担当するサンプル、リリース成分を担当するサンプル、低域を担当するサンプルなどのように役割の異なるサンプルをレイヤーすることでき、その割合を変えることも手軽にできます。
また、付属するプリセットが元からジャンルごとに分けられていて、15000も含まれている各サンプルの音質が良い上にかなり詳細にタグが付いているので、高クオリティのサンプルと必要なサンプルへの簡単なアクセス性を兼ね備えているという感じでした。
良いところは候補の中ではやれることが最も多いかつやりやすいところです。基本的に今回の他の候補ができることはTriazでもすることができます。また、高品質なサンプルも付属してくるので、あまりドラムサンプルを持っていない方などはこれを手にいればすぐに本格的な音を出すことができます。
悪いところは正直ありません。強いて言えば結構タブが多く複雑な印象だったので慣れるまで時間がかかりそうといったところでしょうか。少なくとも買って損をすることはないと思いました。
Impact XT
最後は最終的に選ぶことになったImpact XTについて説明していきます。こちらは別で記事を書いているのでより詳しく知りたい方はそちらもぜひご覧ください。
Studio Oneに付属しているサンプラープラグインです。アタックやリリース、フィルターなど基本的なサンプル編集をImpact XT内で行うことができます。
Impact XTにはドラムシーケンサーは付いていないのですが、Studio Oneの「パターン」と組み合わせるとかなり自由にドラムパターンを構築することができます。このパターンエディタのデザインが個人的にかなり好きです。
また、このパターンエディタはImpact XTとの連携が抜群です。
- パッドの名前がパターンエディタにも自動的に反映されるので分かりやすい
- Impact XTのパラメータを「パターンオートメーション」でノートごとに変化させられる
特に2つ目のパターンオートメーションを用いるとTriazにおけるMotionタブに似たことが可能です。例えばノートごとにパンを振ったり、フィルターを徐々に開いたりといったことが簡単にできます。
また、パターンエディタの「ディレイ」はサンプルの発音タイミングを早めたり、遅めたりすることができるので、グリッドに沿っていない揺れのあるリズムも打ち込めるという死角の無さです。
とにかくImpact XT+パターンという組み合わせを用いるとドラムパターンを構築するという点で不自由を感じることは早々なさそう。エフェクトなどはImpact XTからパラアウトすれば好きなエフェクトをかけられるのでその点でも特に不満は湧かなさそうです。
良いところはStudio One純正のプラグインなので使い勝手が良いこと、Studio Oneユーザーは追加でお金を払う必要がないこと、必要なサンプル編集とシーケンサーの構築は一通り可能なところなどです。
悪いところはエフェクトについては外部のものを使う必要があるということです。ただ、これについてはパラアウトしてエフェクトをインサートすればよいだけの話なのでそこまでマイナスポイントではないかなと思います。
結論
ここでは比較した結果について説明します。冒頭で述べた通り少なくとも当面はStudio One純正のImpact XT+パターンエディタでドラムトラックを作っていこうかなと思います。以下で他の選択肢を選ばなかった(Triaz, XOを購入しなかった)理由について説明します。
Triazについて
まず、Triazの付属サンプルの品質についてですが、これはSpliceなどのサンプルのサブスクやジャンルに特化したサンプルパックでほしいものを手に入れた方が効率的だと思いました。
また、Triazには高度な編集機能がありますが、これはImpact XTを使っても十分似たことはできると判断しました。例えばTriazではノートごとにエフェクトのパラメータのオートメーションができますが、これは外部のエフェクトのパラメータに対してオートメーションを設定すれば少し手間はかかりますが、可能です。
一方で3つのサンプルのレイヤーに関してはTriazの手軽さは素晴らしいものがあります。
なので逆に
- あまりドラムサンプルを持っていなくてとりあえず高品質なサンプルがたくさんほしい
- 効率的にクオリティの高いドラムトラックを作りたい
という人にはTriazは非常におすすめできると感じました。
XOについて
次にXOのサンプル検索機能についてですが、サンプル検索のためのソフトについてはADSR Sample Manager(フリー)やWaves COSMOS(XOより安価)など他にも候補があり、シーケンサー部分もTriazに比べると劣るということを考えると個人的には優先順位が低いと思いました。
ただ、代替プラグインがあるとはいえ、ドラムのワンショットを検索するという点ではXOが最も使いやすそうだなと思います。また、シーケンサー部分に関しても比べると機能面でわずかに差があるというだけで、普通に使いやすいと思います。
なので、
- サンプルをたくさん持っていてXOの検索機能に魅力を感じる
- とりあえず一通りのことができるドラムシーケンサーを探している
という人にはXOは良い選択肢かなと思いました。
私個人としてはTriaz, XOは2つとも素晴らしいところはあるものの、優先順位としては低いと思い、今回は購入を見送ったという感じです。
まとめ
今回はドラムサンプラーについて比較しました。Impact XTを使っていくことにしましたが、現時点での話なのでもしかしたら、というか確実に考えは変わると思いますが何か参考になるところがあったなら嬉しいです。
私はまだまだ音楽について勉強している途中なので何かアドバイスやこういうやり方もあるよ!ということがあればぜひコメントで教えていただきたいです。
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